鮮やかな青い花を咲かせるリンドウは、秋を代表するお花です。
きっとリンドウをご存知の方も多いでしょう。
リンドウは花束やアレンジメントにもよく用いられ、すっきりとした花姿が人気の理由の一つです。
今回は、リンドウの種類と花言葉についてご紹介します。
リンドウってどんなお花?
まずはリンドウの基本的な情報について見てみましょう。
- 学名|Gentiana scabra
- 科名|リンドウ科
- 属名|リンドウ属
- 和名|竜胆
- 英名|Gentian
- 開花時期|9月~11月
以上がリンドウの基本データです。
リンドウの豆知識
多年草であるリンドウは、日本が原産のお花です。
実は日本のほぼ全域に生息しているのをご存知でしたか?
リンドウは青、水色、紫といった寒色系の色で、秋の野山に釣鐘型の花を咲かせます。
お花自体は2cm程度で、先端がとがり、三角形の形をした小さな花びらを5、6枚ほどつけています。
花茎付近はまっすぐと伸び、先端に行くにつれて外に開き、筒状のようになります。
草丈は小さいもので15cm、大きくても45cm程度と小ぶりです。
元々は野生のお花であり、単独で自生します。
古来より漢方薬としても利用されており、学名である「Gentian」というのは、ゲンチアナ王という、リンドウの一種を薬として利用価値があると発見した王の名前に由来しています。
また、中国においても上記の通り漢方薬としてリンドウの根っこが利用されてきました。
その際、いくら体には良くとも、味はとても苦く飲みづらいものだったため、人々が「まるで竜の肝のように苦い」と例えたことから、「竜胆」と名付けられたと言われています。
この「竜胆」という漢字の読み「リュウタン」なまって、「リンドウ」という和名になったとも言われています。
リンドウはアレンジでどう使われる?
リンドウを用いて花束などにアレンジするときは、「ラインフラワー」として使われます。
ラインフラワーは、1本の茎の線上に花をつけるもののことです。
線を活かすアレンジに向いています。
リンドウの種類
リンドウは世界中で約400種、日本に限ってもおよそ20種が自生していると言われています。
それだけではなく、品種改良も盛んにおこなわれているため、園芸品種も数多く存在しています。
リンドウ(ゲンチアナ・スカブラ・ブエルゲリ)
リンドウというと、一般的にはこの種を指します。
開花時期は秋であり、鮮やかな青い花を咲かせます。
ハルリンドウ
一般的にリンドウは秋のお花ですが、この種は3月~5月に花を咲かせます。
冬型で一年草の小型品種であり、草丈は10cm程度です。
リンドウと比較すると、花弁が10枚ほどと多いことが特徴です。
タテヤマリンドウ
ハルリンドウの変種であり、北海道から中部地方にかけての高山地域に自生している品種です。
この種は5月~7月に開花し、ハルリンドウよりも小さい花を咲かせ、さらに中心には斑点模様が入ります。
ミヤマリンドウ
夏の7月~9月に開花時期を迎えるのがこの品種です。
高山の湿原といった、湿り気のある場所に自生し、花びらは平らに開くのが特徴です。
エゾリンドウ
名前のとおり、北海道から中部地方にかけて生息する品種です。
草丈は30~100cm程度と、一般的なリンドウよりも高くなっており、9月~10月ごろに薄い青紫色の花を咲かせるのが特徴です。
オヤマリンドウ
多年草で、関東から四国にかけて山や高原に自生する品種です。
草丈は60cm程度と高めであり、8月~9月に、濃い青の花を咲かせます。
アサマリンドウ
中部地方から九州の山地にかけて自生する品種です。
茎が地を這うように伸びるのが特徴です。
アサマリンドウという名前は、三重県朝熊山で発見されたことに由来します。
トウヤクリンドウ
北海道から中部地方にかけての高山地域に自生する品種です。
8月~9月に白い花を咲かせるのが特徴です。
トウヤクリンドウは現在、数が減少しており、石川県、新潟県において絶滅危惧種、北海道においては準絶滅危惧種に指定されています。
リンドウの花言葉
リンドウ全体の花言葉は、「正義」「勝利」「あなたの悲しみに寄り添う」です。
「正義」「勝利」というのは、リンドウが漢方薬として利用されてきたことから「病気に打ち勝つ」というイメージに由来するものです。
「あなたの悲しみに寄り添う」という花言葉を持っていると聞くと、悲しく怖いようなイメージを持ってしまうかもしれませんが、その由来は暗いものではありません。
野山に自生しているリンドウは、群生せず単独で育ちます。
野山に点々と、1本ずつ健気に咲いているリンドウの様子からつけられた花言葉です。
リンドウの花言葉|紫色
紫のリンドウには
「満ちた自信」
という花言葉がついています。
リンドウの花言葉|白色
白のリンドウには
「貞操」
という花言葉がついています。
大切な人に贈るのはリンドウ!
高貴であることを表す紫色と、「勝利」という花言葉が病気に打ち勝つということに由来することから、リンドウは敬老の日の贈り物として人気が高いです。
上品で、清楚な花模様も古くから愛されてきた理由の一つです。
秋にはそっと季節の変化を教えてくれるリンドウを、ぜひとも大切な方へプレゼントしてみてはいかがでしょうか。